ビフィズス菌は偏性嫌気性菌なのに、ヨーグルト等乳製品の中で死滅しないのですか。また製品を開封したりヨーグルトをかき混ぜたりすることは、ビフィズス菌が死滅することにつながりますか。
ビフィズス菌は偏性嫌気性菌で酸素を嫌う性質であることは間違いありませんが偏性嫌気性菌の中では比較的酸素に影響をされ難い菌です。
ヨーグルトの中でなぜ発酵するのかと言いますと、発酵する前に牛乳を加熱殺菌してあり酸素が少ない状態になっていることと、ほとんどのヨーグルトの場合、ビフィズス菌に加えて乳酸菌を発酵に使用するため、乳酸菌(酸素 があっても発酵します)が発酵することにより、牛乳がより嫌気状態に近づきビフィズス菌発酵に適した条件を作ることです。
またメーカーはビフィズス菌に対する酸素の影響を除くために独自の工夫を行い、製造工程で牛乳に対する酸素の溶け込みを少なくしたり、一緒に発酵させる乳酸菌に牛乳中の酸素を消費する性質の菌を使用したりしています。また使用するビフィズス菌にヨーグルトの中で良く発酵するものや酸素に対して耐性を持つ菌株を選択して使用していることも理由のひとつです。
次に製品となったヨーグルトの中でのビフィズス菌に対しても酸素は影響します。
市販のビフィズス菌入りヨーグルトの容器は酸素の透過性が少ないものが使用されビフィズス菌の保存性を高めています。しかしヨーグルトの表面はどうしても酸素に触れますからビフィズス菌の死滅は早くなり,ご指摘のように攪拌して酸素を入れるとビフィズス菌は早く死滅する傾向にあります。しかし攪拌したとしてもすぐに死滅するわけでは ありませんのであまり心配をする必要はないでしょう。