公益財団法人日本ビフィズス菌センター/腸内細菌学会 Japan Bifidus Foundation(JBF)/Intestinal Microbiology

用語集


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プレバイオティクス(prebiotics)

プレバイオティクスという言葉は、1994年のILSI Europe主催の「腸内菌叢:栄養と健康」と題するワークショップでGibsonとRoberfroidにより提唱され、翌年に彼らにより執筆された総説(Gibson GR, Roberfroid MB. 1995. Dietary modulation of the human colonic microbiota: introducing the concept of prebiotics. J Nutr 125:1401-1412)の中で詳細に説明されている。プレバイオティクスという用語は、有害な病原性細菌を抑制する抗生物質(antibiotics)に対して考案された。すなわち、プレバイオティクスは大腸内の特定の細菌の増殖および活性を選択的に変化させることより、宿主に有利な影響を与え、宿主の健康を改善する難消化性食品成分と定義した。プレバイオティクスに要求される条件は以下の通り。

  1. 消化管上部で加水分解、吸収されない。
  2. 大腸に共生する一種または限定された数の有益な細菌(ビフィズス菌等)の選択的な基質であり、それらの細菌の増殖を促進し、または代謝を活性化する。
  3. 大腸の腸内細菌叢(フローラ)を健康的な構成に都合の良いように改変できる。
  4. 宿主の健康に有益な全身的な効果を誘導する。

食品成分の中では難消化性のオリゴ糖類が最もよく利用されており、その他としてはプロピオン酸菌による乳清発酵物などがある。プレバイオティクスの機能性については、整腸作用(便通改善)、抗脂血作用、インスリン抵抗性の改善、ミネラル吸収促進作用、尿中窒素低減作用、大腸がん・炎症性腸疾患の予防・改善、アレルギー抑制作用、腸管免疫の増強等が報告されている。またオリゴ糖類のプレバイオティクスの多くは難消化性糖質であることから低カロリーでもある。プレバイオティクスのほとんどの機能性は大腸での腸内細菌叢の変化を介して発現されると考えられている(図参照)。わが国においては特定保健用食品の関与成分としても認可されており、2011年3月7日時点での84商品の一覧表を参照されたい。

参考文献

  1. プレバイオティクスに関して
    田代靖人、奥恒行、中村禎子.2006.第5章プレバイオティクス.光岡知足編,プロバイオテックス・プレバイオティクス・バイオジェニクス,p.115–128,公益財団法人日本ビフィズス菌センター.東京.
  2. プレバイオティクスを含む特定保健用食品一覧の出典
    上野川修一・山本憲二(監修).2011.世紀を超えるビフィズス菌の研究―その基礎と臨床応用から製品開発へ―.p.365-395,公益財団法人日本ビフィズス菌センター,東京
大腸での変化を介したプレバイオティクスの機能性

(田代靖人)