H.Tissier博士は1899年に母乳栄養児の糞便からビフィズス菌を始めて分離された。1900年には「乳児腸内細菌叢-正常と疾病-」と題する著書で本菌について詳述し、また、腸の不調を訴えた友人・縁者にビフィズス菌を使った培養液を処方し、治療された。Tissier博士はビフィズス菌をプロバイオティクスとして始めて使用した医師でもある。
内なる環境としての腸内菌叢にかかわる研究の支援を活動の目的にしている本財団では、Tissier博士の功績とその先見性に敬意を表し、また、本財団の活動に貢献された方々にはその業績を称え、同博士のメダルを差し上げることとした。
本メダルの原作者は、Tissier博士の友人であり、フランスの著名な彫刻家でもあったH. Bouchard氏である。Tissier博士の肖像を銅版で造り、子息F. Bouchard氏に残された。同氏は心臓病学者であったが、父の影響を受け、彫刻への関心も高かった。
本財団の初代理事長であった本間 道博士は1987年にフランスを訪問したとき、偶然にF. Bouchard 博士に会い、Tissier博士とBouchard家の親交を知った。その際、初代理事長はTissier博士の肖像を(公財)日本ビフィズス菌センターの宝物とすることを考えつき、F. Bouchard博士もその要望に応えてTissier博士の肖像をメダルとして復刻し、1987年末に当財団に届けられた。1988年以降、本メダルは上記の主旨で財団の活動に貢献された方々に差し上げている。
年 | 被贈呈者 | 所属(当時) |
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1998年6月 | 日比 紀文 | 慶應義塾大学医学部内科学 |
2000年6月 | 矢田 純一 | 東京医科歯科大学小児科 |
山口 英世 | 帝京大学医真菌研究センター | |
2002年5月 | 石川 博通 | 慶應義塾大学医学部微生物学・免疫学教室 |
2003年6月 | 名倉 宏 | 仙台社会保険病院・病理部 |
2004年6月 | Koen Venema | TNO Nutrition & Food Research, The Netherlands |
白川 太郎 | 京都大学大学院医学研究科健康増進・行動学分野 | |
福土 審 | 東北大学大学院医学系研究科人間行動学分野 | |
2005年5月 | Vassilia Theodorou | INRA, Toulouse, France |
Jan Kok | Groningen Univ., The Netherlands | |
Stephanie Blum | Nestle Research Center, Switzerland | |
五十君 靜信 | 国立医薬品食品衛生研究所 | |
2006年6月 | 石坂 公成 | ラホイヤ・アレルギー免疫研究所名誉所長、日本学士院会員 |
Elaine E. Vaughan | Wagenningen University, Unilever R&D, The Netherlands | |
猪原 直弘 | University of Michigan Medical School, Department of Pathology, USA | |
2007年6月 | R. Balfour Sartor | University of North Carolina, USA |
Philippe J. Sansonetti | Unite de Pathogenie, Microbienne, Moleculaire, Institut Pasteur, France | |
山城 雄一郎 | 順天堂大学小児科 | |
2008年6月 | Fang Yan | Vanderbilt University School of Medicine, USA |
Silvia Resta-Lenert | University of California San Diego, USA | |
2009年6月 | Andrew S. Neish | Department of Pathology, Emory University School of Medicine, USA |
藤田 恒夫 | 新潟大学名誉教授 | |
2010年6月 | 本庶 佑 | 京都大学大学院医学研究科寄付講座客員教授、 内閣府総合科学技術会議議員 |
2011年6月 | 審良 静男 | 大阪大学フロンティア研究センター施設長 |
Justin L. Sonnenburg | Stanford University School of Medicine, USA | |
2012年6月 | Richard S. Blumberg | Harvard Medical School, USA |
2013年6月 | 中村 信一 | 金沢大学 学長 |
George T. Macfarlane | University of Dundee, UK | |
2014年6月 | 渡辺 守 | 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科消化器病態学 |
Peer Bork | EMBL Heidelberg, Germany | |
2015年6月 | Todd R. Klaenhammer | North Carolina State University, USA |
清野 宏 | 東京大学医科学研究所 | |
2016年6月 | Satchidananda Panda | Salk Institute for Biological Studies, USA |
Els van Nood | Harbor Hospital, Rotterdam, The Netherlands | |
須藤 信行 | 九州大学大学院医学研究院心身医学 | |
2017年6月 | Christian Jobin | University of Florida, USA |
高井 研 | 海洋研究開発機構(JAMSTEC) 深海・地殻内生物圏研究分野 | |
2018年5月 | Mahesh S. Desai | Luxembourg Institute of Health, Luxembourg |
2019年6月 | Koen Venema | Maastricht University, The Netherlands |
福土 審 | 東北大学大学院医学系研究科行動医学 | |
2020年6月 | Andre J. Ouellette | University of Southern California, USA |
山田 拓司 | 東京工業大学 生命理工学院 | |
2021年6月 | John F. Cryan | University College Cork, Ireland |
坂口 志文 | 大阪大学免疫学フロンティア研究センター | |
松本 哲哉 | 国際医療福祉大学医学部感染症学講座 | |
2022年7月 | Andreas J. Baumler | University of California Davis, USA |
植松 智 | 大阪公立大学大学院医学研究科ゲノム免疫学 | |
2023年6月 | ||
竹田 潔 | 大阪大学免疫学フロンティア研究センター・医学系研究科 |