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私たちは胎児期に無菌の状態で母親の子宮内にいますが、出生により外部の環境にさらされ、腸内に共生者としての細菌が棲みつきます。この腸内細菌と私たちとの共生は一生続きます。共生者としての菌は、ビフィドバクテリウムやラクトバシルスなどの善玉菌や悪玉菌といわれる菌、さらには日和見菌といわれる菌などを含め100種類以上、100兆個以上に上り、私たちの免疫系、神経系、内分泌系などを介して私たちの健康に深くかかわっています。しかし腸内細菌はどこに棲み着いているのか、菌の種類によってどう棲み分けているのか、腸内細菌が腸管の構造や機能などにどのような影響を与えているか十分には解明されていません。それらは今後の重要な研究課題であります。
そこで、当財団では設立30周年の記念事業の一環として、この「共生のはじまり」と題したDVDの制作を企画しました。そして、誕生と同時に始まる新しい生命体(宿主)とその管腔に侵入してきた細菌が相互に作用し合う関係を共に生きる「共生」という概念でとらえ、特にその様相が腸内という環境においてどのようなドラマとなって展開していくのかを知ることを目指しました。
その映像化においては、腸内細菌の棲息場所や腸管の状態、さらにはその形状の変化などを視覚的に理解するとともに、新たな研究課題のヒントが得られる効果が期待されました。そして、映像化できたことによって、その一端が見えてきました。
細菌が棲み着くことによって起る腸管上皮の新たな形成過程が見事に撮られています。細菌が棲みつくことで均整のとれた絨毛が一定間隔に並んで正常化する経緯が見られます。同じようにパイエル板や盲腸リンパ節も成熟している様相が見られます。論文などからイメージされる「共生」とは異なるビジュアルな「共生」が示されており、非常なる迫力を持って私たちの目に入ってきます。
これは「共生」を視点に腸と細菌の相互作用による腸管組織形成の経緯が撮影され、DVD化された世界で初めての作品であります。専門家はもちろん、この分野に興味を持つ一般の方々にもぜひ見て頂きたい内容となっております。
本DVDの制作は、この領域において優れた撮影技術を駆使して、これまでにも多くの作品を発表されてきた株式会社アイカムに担当いただいており、同社は映文連アワード(2011年)に本DVDを擁して参加され、優秀撮影賞(特殊撮影)を受賞されています。
本DVDは学校法人からのご希望がある場合には貸出を行っております。また、その貸出と併せて関連する腸内細菌に係る講話なども承っておりますので、ご希望の方は事務局までお問合せください。
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本書は財団法人日本ビフィズス菌センターが総力を挙げて企画したビフィズス菌叢書の第2段である。叢書第1段、「ビフィズス菌の研究」(光岡知足編、1994年)が斯学研究者の座右の書となって20年近くが経過した。この間、ビフィズス菌の基礎研究と医薬品または機能性食品としての開発研究はもとより、特にビフィズス菌の分子生物学的同定法および臨床応用分野での研究成果にはめざましいものがあった。本書ではこれらの新知見は完全に網羅されている。また、ビフィズス菌の発見者アンリ・ティシェの生涯と応用研究を詳しく検証したユニークな章もあり、全章において類書では見られない内容をもつ。
70名を越える研究者が総力で執筆に当たった。次の20年間、このビフィズス菌叢書は、前のビフィズス菌叢書と共に、研究者必携の書となるだろう。
本書では2つの魅力的なテーマが語られている。1つは共生、もう1つは腸内。このキーワードにはワクワクさせられる。何故だろう。
腸管は嫌気的である。エネルギー効率の低い地球上に生命が誕生した直後の状態に似ている。ヒトはテニスコートほどの広さの腸管をもち、ここに数百種もの細菌が100兆個も住み着いて、ヒトと共生し、また細菌同士も共生している。この「内なる環境」がどのようにして形成され、どのようにして維持されているのか。そして、人の健康はどのような影響を受けているのか。
本書はこのような重要なテーマを「腸内共生系のバイオサイエンス」として統括している。そして、この分野において第一線で活躍されている研究者にご執筆いただいた。
このような内容をもつ解説書はわが国ばかりではなく、世界にも類を見ない。
財団法人日本ビフィズス菌センター設立30周年記念講演より。
本書の出版は、かつて、この分野の研究で世界の最先端を走っていたわが国に相応しい企画であったと思う。
(本書「はじめに」より 光岡知足)
技術の精度、限界を理解するための参考にしていただくことができれば、本書の目的とするところです。
(本書「はじめに」より 光岡知足)
Tissier論文が翻訳・出版されることは、腸内細菌の研究を行う者にとってこの上ない喜びです。
(本書「はじめに」より 光岡知足)
メチニコフこそは腸内フローラの重要性に気付いた最初の科学者だったのです。
(本書「復刊序文」より 光岡知足)
法人日本ビフィズス菌センター設立25周年記念講演より。