嫌気性菌とはどんなものですか?
嫌気性菌とは生育に酸素を必要としない細菌のことです。さらに嫌気性菌は、酸素存在下でも生育できる通性嫌気性菌と、大気レベルの濃度の酸素に暴露することによって死滅してしまう偏性嫌気性菌に分けられます。これに対して好気性菌は生育のために酸素を必要とする細菌です。
好気性菌は酸素を必要とする好気呼吸という代謝系で、嫌気性菌は発酵または嫌気呼吸という代謝系で生育に必要なエネルギーを獲得します。通性嫌気性菌は、酸素の有無に関わらず発酵または嫌気呼吸でエネルギーを獲得しますが、酸素の存在下では好気呼吸でエネルギーを獲得します。腸内フローラを構成する主な腸内細菌であるビフィズス菌、バクテロイデス、ユーバクテリウム、クロストリジウムなどは偏性嫌気性菌で、乳酸桿菌、大腸菌、腸球菌などは通性嫌気性菌です。