腸内菌叢と腸内フローラ、microbiotaはどう違うのですか？

これらの言葉は本質的には同じものを意味しています。以前、英語の学術論文において“gut microflora”という単語が使用されていましたが、その日本語対応として“腸内フローラ”が用いられていました。一方、分類学では系統分類の検討から当初、植物に属するとされていた細菌は、独立した生物であるとの方向性が示されました。このような分類学的背景もあり、“flora”とは“花”を語源としており、後に植物相を示す用語として使用されました。現在、floraを細菌に対して用いることは適切とは言えないと考えられ、英語の学術論文においては“gut microbiota”が用いられるようになりました。それに対応すべくその日本語として“腸内菌叢（腸内細菌叢）”が使用されるようになっています。なお、腸内フローラという表現は、これまで広く用いられて一般的にも研究者にも浸透していることもあり、腸内フローラという表現も一般用語として用いられています。