
真菌は腸内細菌に含まれますか?

厳密に言うと、真菌は腸内細菌には含まれません。細菌(bacteria)は核を持たない原核生物ですが、真菌(fungi)は核を持つ真核生物に分類されます。なお、ヒトの腸内には細菌だけでなく、真菌やウイルス、寄生虫、古細菌など様々な微生物が常在しており、これらは腸内微生物叢(gut microbiota)と総称されます。そのため、真菌は腸内細菌には含まれませんが、腸内微生物に含まれると言えます。
近年、16S rRNA遺伝子配列を指標に腸内細菌叢を構成する細菌を分類・同定する研究が進められていますが、同様にITS(internal transcribed spacer)配列を指標に腸内真菌叢を構成する真菌の分類・同定も可能となっています。この解析法を用い、日本人の腸内には、カンジダ菌(Candida albicans)や酵母(Saccharomyces cerevisiae)など、様々な真菌が常在することが明らかになっています。
真菌は、α-マンナンやβ-グルカンなど特徴的な細胞壁成分を有する微生物です。そのため、腸内において真菌は細菌より数的に少ないものの、Tヘルパー17(Th17)細胞をはじめとする腸管免疫系の誘導に寄与するだけでなく、炎症性腸疾患やアルコール性肝疾患など様々な病気の発症・制御に関わっており、近年その役割が注目されています。