公益財団法人 腸内細菌学会/腸内細菌学会 Japan Bifidus Foundation(JBF)/Intestinal Microbiology

学術誌


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Bioscience and Microflora 和文要約 Vol.23, No.3

Bifidobacterium bifidum G9-1の高脂血症および肥満・糖尿病疾患モデル動物に対する効果

大野裕史1)、石原陽子1)、荒井輝彦1)、山村秀樹1)、戸谷永生2)、上田隆史2)

1)ビオフェルミン製薬(株)研究部、2)神戸学院大学 栄養学部 栄養生理学研究室

Bifidobacterium bifidum G9-1(BBG9-1)株を10%混合した餌をExHC(Exogenously Hypercholesterolemic)ラット、Wistar fattyラットおよびKK-Ayマウスに給餌し、血液および肝臓中における脂質および血糖値に及ぼす影響を検討した。
1)ExHCでは、BBG9-1投与群は、対照群と比して、血漿中および肝臓のコレステロールおよびトリグリセリド値が有意に減少した。また、BBG9-1投与群はLDL-コレステロールおよびVLDL/CM-コレステロール値の有意な減少を、さらにVLDL/CM-トリグリセリド値も有意な減少を示した。
2)Wistar fattyラットでは、BBG9-1投与により、肝臓中のコレステロールおよびトリグリセリド値のいずれにも有意な減少が認められたが、血漿中の脂質成分には影響を及ぼさなかった。
3)KK-Ayマウスでは、BBG9-1投与により、肝臓および血漿中のコレステロールおよびトリグリセリド値が有意に減少した。さらに、血漿中のグルコース値も有意に減少した。以上により、BBG9-1株にモデル動物の血中や肝臓における高濃度のトリアシルグリセロール、コレステロールおよび糖を低下させる治療効果が認められた。