公益財団法人日本ビフィズス菌センター/腸内細菌学会 Japan Bifidus Foundation(JBF)/Intestinal Microbiology

用語集


PAGE
TOP

血圧降下ペプチド(antihypertensive peptide)

血圧降下ペプチドは、血圧降下作用を有するペプチド(アミノ酸が2個~数十個つながった物質)の総称である。

1970年代に蛇毒に含まれる血圧降下ペプチドが発見され、その構造に基づいて降圧剤(アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤)が開発された。また、食品の分野において、動物性または植物性タンパク質に由来するペプチドの血圧降下作用が多数報告されており、特定保健用食品や機能性表示食品の関与成分として利用されている。

食品由来の血圧降下ペプチドは、発酵・熟成または酵素処理の過程において、タンパク質がプロテアーゼで分解されて生成される。その中でも、最も研究が行われているのがACE阻害ペプチドである。ACEは昇圧作用を示すアンジオテンシンIIを生成し、降圧作用を示すブラジキニンを分解する。従って、ACE活性を阻害することで血圧上昇を抑制することが可能になる。ACE阻害ペプチドの具体例として、乳由来Val-Pro-Pro, Ile-Pro-Pro(用語集「ラクトトリペプチド」参照)、イワシ由来Val-Tyr、ゴマ由来Leu-Val-Tyr、大豆由来Gly-Tyr, Ser-Tyr等が挙げられる。

高血圧は心筋梗塞や脳卒中といった循環器疾患の主要なリスク因子である。また、国内の高血圧者数は推計4300万人であり、最も多い生活習慣病とされている。このため、食事や運動など生活習慣の修正により高血圧を予防・改善することが課題となっており、血圧降下ペプチドは血圧をコントロールするツールの一つとして期待されている。

(中村哲平)