公益財団法人 腸内細菌学会/腸内細菌学会 Japan Bifidus Foundation(JBF)/Intestinal Microbiology

研究トピックスと過去のお知らせ


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日高秀昌先生が叙勲される。

理事 河野敏明

平成18年秋、本財団評議員、日高秀昌先生はフラクトオリゴ糖の開発など糖質の研究、発展への貢献が認められ旭日小綬章を受章されました。ビフィズス菌センターにとっても大変嬉しいニュースであり、心からお祝い申し上げます。
日高先生は、昭和7年6月30日東京に生まれ、昭和31年3月東京大学農学部を卒業、昭和44年4月明治製菓株式会社に入社され、昭和51年に農学博士の学位を取得、昭和53年9月から同54年9月までマイアミ大学医学部生化学科に客員教授として留学された後、昭和54年10月同社食料研究所酵素開発室長、昭和61年3月同社生物科学研究所長、平成元年6月同社取締役生物科学研究所長、平成5年7月同社顧問を務められました。平成5年8月から平成9年3月まで理研ビタミン(株)顧問で研究開発の指導に当たられた後に、平成9年4月から常磐短期大学教授に就任され、その後平成15年4月松谷化学工業株式会社顧問となり、現在に至っています。
この間、多年にわたって糖質関連酵素とその利用開発に取組み、実用化に優れた業績をあげて来られました。中でもフラクトオリゴ糖の開発は特に優れたもので、従来の糖質では考えられなかった機能、食品としてこれを摂取すると難消化性のため腸内菌叢が変化し整腸作用が発揮されるなど健康に大きく寄与する事実の発見と共に、フラクトオリゴ糖を工業的に製造する画期的技術を開発されました。このような酵素の高度利用による糖質特にオリゴ糖の新しい製造法の開発と、利用拡大による新しい市場開発に貢献した功績は非常に大きいものがあります。フラクトオリゴ糖のような機能性オリゴ糖は、その後日本の特定保健用食品制度の制定に大きな原動力となりました。また、海外への技術導出に伴い、国際的にも研究を触発しその結果プレバイオティクスの概念が生み出され、さらに最近ではダイエタリーファイバーとしてのオリゴ糖が議論されています。
これらの研究と実用化の功績を認められ、昭和58年10月日本澱粉学会賞、昭和62年4月日本農芸化学会技術賞、平成元年4月科学技術庁長官賞(科学技術功労者)、平成7年には紫綬褒章の栄誉を受けられました。
日高先生は、現在もなお機能性食品の正しい知識を広めるために国内外で非常に精力的に活動されています。

日高秀昌