日時 |
平成19年6月14日(木)・15日(金) |
会場 |
北里大学 薬学部 コンベンションホール 東京都港区白金5-9-1 TEL 03-5791-6256(微生物学教室内) 最寄り駅からの交通機関と構内案内図 |
会長 |
田中 隆一郎((株)ヤクルト本社中央研究所) |
事前参加費 |
- 会員:6,000円
- 一般:7,000円
- 学生:2,000円
- (予稿集会員無料配布、当日別売 1,000円)
- (懇親会費 2,000円)
事前参加は6月1日(金)をもって締め切らせて頂きました。
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当日参加費 |
- 会員:7,000円
- 一般:8,000円
- 学生:2,000円
- (予稿集会員無料配布、当日別売 1,000円)
- (懇親会費 2,000円)
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お問い合わせ |
公益財団法人 日本ビフィズス菌センター事務局 〒170-0002 東京都豊島区巣鴨1-24-12 TEL:03-5319-2669 FAX:03-5978-4068 e-mail:jbf(at)ipec-pub.co.jp ※メール送信時は(at)を@に変えてお送りください。 |
9:20 ~ 9:30 |
開会の挨拶
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9:30 ~ 15:30 |
一般講演発表(11:55 ~ 12:55 休憩) |
15:40 ~ 16:30 |
受賞講演 I Sartor RB (North Carolina University) 「Microbial and dietary factors in the pathogenesis and prevention ofchronic, immune-mediated intestinal inflammation」 腸管の慢性炎症の病態を明らかにし、その治療の手段をみつけることが我々の研究の最終的な目標である。そのために、慢性炎症発症における常在性腸内細菌の関与、宿主の腸炎感受性を規定する遺伝子上の変異、腸上皮細胞による免疫抑制分子の調節、さらに炎症性腸疾患患者の治療に関する臨床研究に焦点をあわせて研究を進めており、本発表で紹介したい。 |
16:35 ~ 16:40 |
JBF研究奨励賞授賞式 |
16:40 ~ 17:05 |
受賞講演 I 今岡明美(株式会社ヤクルト本社中央研究所) 「腸管免疫応答に関与する腸内フローラの解析とセグメント細菌導入によるヒトフローラ化マウスの改良に関する研究」 |
17:05 ~ 17:30 |
受賞講演 II 永渕真也(明治乳業株式会社研究本部) 「ヌクレオチドが免疫系に与える影響」 |
17:50 ~ 19:30 |
懇親会 北里本館にて 参加費:2,000円 |
9:30 ~ 11:30 |
シンポジウム1『腸内菌と宿主のクロストーク』
- 福島浩平(東北大学大学院医学系研究科)
「腸内細菌と上皮細胞とのクロストーク─炎症性腸疾患の病態解明への試み─」 潰瘍性大腸炎およびクローン病は、原因不明の難治性炎症性腸疾患である。我々は、無菌マウスに腸内細菌を経口投与する通常化モデルにより、消化管上皮細胞に発現される遺伝子変化をとらえ、遺伝子産物の機能解析とともに腸内細菌が病態形成に重要とされるヒト炎症性腸疾患における役割について検討を行ってきた。本シンポジウムでは、今までの検討結果について紹介させていただきたい。
- 綾部時芳(北海道大学大学院先端生命科学研究院)
「Paneth細胞の抗菌ペプチドによる腸内自然免疫」 腸上皮細胞のうち小腸陰窩の基底部に位置するPaneth細胞(パネート細胞)は、抗菌ペプチド(a-defensin)を有する。単離小腸陰窩を用いて細菌と腸上皮細胞のクロストークを解析した。微生物認識分子を発現するPaneth細胞は、様々なex vivo細菌感染に反応してa-defensinを含む顆粒をすみやかに分泌し殺菌作用を示した。抗菌ペプチドによる腸内自然免疫の制御が示唆された。
- 鈴木敬一朗(理化学研究所 横浜研究所)
「腸内細菌叢が宿主免疫系に及ぼす影響」 腸管には非常に多くの常在細菌が存在しており、宿主とは相互利益的な恒常性を保っている。我々の研究により腸管IgAを欠損する状態では腸内細菌、中でも嫌気性菌が異常増殖する事が明らかとなった。ここでは、腸内細菌叢が宿主免疫系に与える影響を中心にして、最近の研究結果について検討を行いたい。
- 八村 敏志(東京大学大学院農学生命科学研究科)
「微生物に対する腸管CD3-IL-2R+細胞・樹状細胞の認識および応答機構-腸内共生細菌、プロバイオティクスとIgA抗体産生応答に関連して」 腸管免疫系は腸内細菌を認識し、IgA抗体産生などの免疫反応が誘導される。細菌レベルでは、M細胞、樹状細胞、上皮細胞がその認識にかかわり、分子レベルでTLRをはじめとしたパターン認識レセプターが菌体成分の認識にかかわる。このような腸管免疫系の認識・応対機構に関し、樹状細胞およびIL-2R発現非T非B細胞の微生物由来物質に対する応答を中心に紹介したい。
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11:40 ~ 12:30 |
特別講演2 Philippe J.Sansonetti (Institut Pasteur) 「Comparing how commensals and pathogens cross-talk with the intestinal epithelium : War and Peace at mucosal surfaces」 |
12:30 ~ 13:30 |
休憩 |
13:30 ~ 14:20 |
特別講演3 山城雄一郎(順天堂大学医学部) 「未熟児・新生児期はProbiotics投与のCritical window(Optimal window)」近年、Probioticsへの関心が、国内、国外で急速に高まって来た。それは世界的に予防医学の重要性が広く認識されて来た事とこれに関するエビデンスが蓄積されて来た事が挙げられる。 小児、特に未熟児・新生児は、子宮内で無菌であった腸管が出生と同時にその宿主の生涯を通じた健康に大きく関与すると考えられる腸内細菌叢が出現し、確立へ向う。すなわち、この時期はprobioticsによる介入効果が最も顕著であると考えられているいわゆるcritical window(optimal window)である。 解剖学的そして機能的に未熟なこれらの児の免疫能を含む発達に、腸内細菌叢は重要な働きを及ぼす。他方、腸管は消化・吸収器官としてだけでなく、内分泌、免疫そして神経器官としての機能を有する代謝の活発な複合器官である。従って腸内細菌であるprobioticsの宿主に対する効果を考える時、腸管イコール複合器官の視点が重要である。 当教室では、我が国で増え続ける未熟児(低出生体重児)の健全な成長・発達をもたらす為の重要な治療対策の1つとして、出生体重の大小に拘らず生後数時間以内からprobioticsの投与を連日施行し、良好な結果を得ている。また臨床効果を解明し得る基礎的エビデンスとして、腸内細菌叢、免疫能そして短鎖脂肪酸について検討した。更にGOSやlactoferrinのprebioticsそしてsynbiotics効果も検討している。本講演でこれら自験例を基に、小児probioticsの意義について発表する予定である。 |
14:30 ~ 17:00 |
シンポジウム2『プロバイオティクスの臨床応用』
- 梛野正人(名古屋大学大学院医学系研究科)
「シンバイオティクスによる術後感染性合併症の予防」 Synbioticsの投与により術後感染性合併症が軽減するか否かを明らかにする目的で、high-riskな手術である胆道癌に対する広範囲肝切除術を対象にrandomized controlled trial (RCT)を行った。Synbioticsを術前術後に投与することにより、患者の免疫能が亢進し、腸内環境・細菌叢が宿主にとって有利な方向に改善され、術後感染性合併症の発症が減少した。
- 高木敦司(東海大学医学部)
「プロバイオティクスとHelicobacter pylori感染症」 Helicobacter pyloriは、胃に定着するグラム陰性桿菌であるが、慢性胃炎、消化性潰瘍の病因とみなされ、本菌の除菌が潰瘍再発を防止すること明らかになった。さらに胃癌との関連が注目されている。H. pyloriの除菌療法は、抗生剤を用いた3剤療法が用いられているが、耐性菌の増加が懸念されている。近年、プロバイオティクスのその臨床応用が進んでいるが、H.pylori感染に有効なLactobacillus gasseriの有効性についての最近の臨床成績を述べたい。
- 石川秀樹(京都府立医科大学分子標的癌予防医学)
「臨床試験によるプロバイオティクスの評価」 私たちは、大腸癌予防を目的に、乳酸菌製剤を用いた無作為割付臨床試験、潰瘍性大腸炎の増悪予防を目的に、ビフィズス菌発酵乳を用いた無作為割付臨床試験を行い、それぞれの試験で、乳酸菌製剤やビフィズス菌発酵乳が有効であることを明らかにしてきました。本シンポジウムでは、この2つの試験を紹介するとともに、同時に測定したいろいろな生物学的指標の変化も示し、今後の臨床応用の可能性について議論したいと思います。
- 加藤公敏(日本大学医学部)
「瘍性大腸炎治療におけるprobioticsの有効性について」 腸内フローラのバランスを考えた腸管内環境の制御が、炎症性腸疾患や過敏性腸症候群に代表される下部消化管疾患の病態解明とその治療に繋がることが期待されている。本講演では、緩解期、活動期潰瘍性大腸炎の治療におけるビフィズス菌発酵乳(BFM)の有効性についての成績とともに、乳酸菌の大腸癌予防を検討した臨床試験の報告などをもとに、プロバイオティクスの下部消化管疾患への臨床応用について言及したい。
- 下条直樹(千葉大学大学院医学研究院)
「アレルギー疾患予防/治療におけるプロバイオティクスの位置づけ」 すでに発症しているアレルギー疾患に対するプロバイオティクスの効果は乳幼児では見られるものの成人では無効例が多い。一方、アレルギー疾患の予防としては、アトピー性皮膚炎の発症率は低下するのに対しアレルギー性鼻炎の発症抑制効果は認められていない。これらのデータからは、プロバイオティクスのアレルギー疾患に対する効果には年齢差や個人差などがあることが示唆され、プロバイオティクスの投与対象をどのように選択するのかを明らかにすることが重要であると考えられる。
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17:00 ~ 17:10 |
閉会の辞 |